配偶者の親族とうまくいかずに離婚へ・・・ということはあまり珍しくありません。舅・姑・小姑、どこまでの親族なら「不和」として認められるのかも気になるところです。
どのような状況までいけば離婚原因として成立するのでしょうか?親族との関係性に不満を持っている方、離婚も視野に入れている方はとくによく学んで行きたい部分ですね。
親族の不和とは
「親族の不和」というのは夫・妻間の直接の仲違いではなく、配偶者の親戚関係とうまくいかないことを指します。相手方の親族と折り合いがつかずに離婚に至る、というのは実はそこまで珍しいことではありません。過去にとった調査では、「男性が選ぶ離婚原因」の第三位にもなっています。配偶者との性格の不一致、異性関係(浮気や不倫)の次に多いのが、この「親族との不和」なのです。
ちょっと前までは「嫁姑関係」が代表格だったこの親族との不和。しかし年々その領域は拡大してきて、今では「妻と小姑」「妻と舅」が引き起こす軋轢というのも多くなってきているのです。
育ってきた環境が違うので、そこで価値観の違いが生まれてしまうのはしょうがないことかもしれません。しかし夫と妻はほぼ毎日生活を共にしていますが、親族とはそこまで頻繁に会うわけではないですよね。それがどうして離婚原因にまで発展していってしまうのでしょうか?
嫁姑問題
親族との不和でいちばん多いのはやはり嫁姑間の軋轢です。姑からすると、大好きな息子が他の女に取られた・・・という思いがどうしても高まってしまい、冷たくあしらったりイビリをしたりしてしまうようです。
また最近は晩婚化も進んでおり、子供を持たない・持てない夫婦というのも増えてきました。そんな中で「どうして子供を産まないのか!?」と嫁を一方的に責め立てるような姑もたくさんいます。これも嫁姑間の不和、夫婦の間では理解しあったり合意があるにも関わらずこうして姑が出しゃばることから始まるのです。
さらにこのような嫁姑問題が離婚にまで発展するケースにおいては「夫が改善に向けた努力をしてくれない」ということも多いです。夫が非協力的で妻側が諦めを感じ離婚・・・なんてことも多々あるのです。
嫁姑以外の親族との不和問題
嫁姑以外でも不和は起こりえます。嫁と舅で仲違うこともありますが、やはり同性同士の軋轢の方が圧倒的に多いです。嫁と小姑(夫の姉や妹)と不和を感じることも多いようです。同性だとやはり「嫉妬」や「妬み」が起こりやすいので、ちょっとしたことで問題が置きやすいのかもしれません。
また嫁と異性の親族とのトラブルにおいては、「セクハラ案件」がかなりの割合を占めます。舅に胸を触られた、夫の兄に関係を迫られている、などということで悩んでいる女性も少なくないのです。
夫との仲は良好なのに、その親族とはなかなかうまくいかない・・・ということはけっこうあるパターン。もしも現在悩んでいる方がいれば、まずはいちばん身近である夫に相談してみましょう。
同居による不和
「親族との不和」を感じて離婚を求める女性は、配偶者の親と同居していることが非常に多いです。いわゆる二世帯住宅という環境ですね。やはり同じ屋根の下でいっしょに暮らしていると、それだけ摩擦が生まれやすいのでしょう。
ただ単純に「仲が良くない」ということだけでは離婚はできないとのこと。配偶者の親族が妻の人権を害したり蔑ろにしたりして、やっと離婚原因にまで昇華できるのです。以下のようなケースでしたら、離婚原因にすることが可能です。
・舅が嫁の学歴を軽蔑するような発言をする、または家柄を否定する
・姑が不妊の嫁に対して暴言を吐き続ける
・同居している夫の姉が、嫁の金品を勝手に拝借する
このような事実が一定期間異常続けば、離婚できる可能性は高いです。とくに暴言に関してはしっかり録音しておくと証拠として認められます。日記をつけるのもいいでしょう。
介護疲れの限界
夫側の両親を介護しているがそれに限界を感じて離婚を考える女性も多いようです。ただ「介護が辛い」というだけではなかなか離婚原因としては認められないことが多いです。介護の辛さに+αでなにか精神的苦痛や経済的苦痛があるという場合であれば、それが考慮され離婚できることもあります。
例えば・・・
・夫が妻にばかり介護を強要する
・介護してもらっている舅や姑から資金的援助がない
・介護の最中に暴れるため妻がケガをしてしまう
このような問題が発生すれば、介護による不和は認められるかもしれません。
まとめ
親族との不和は、夫との不和よりも離婚の原因として認められづらいという現状があります。その分どれだけの苦痛を感じたら離婚できるかというもののハードルが上がっていることは間違いありません。
ただハードルが高いからといってあなたが我慢する必要はないです。まずは弁護士に親族との不和を感じている現状を相談しに行くことから始めてみましょう!